青色発光ダイオードの登場以来、LEDは様々な色を作り出せるようになりました。
それはご家庭で利用できるLED電球でも同じです。
なんとLED電球が作り出せる色は9種類もあるのです。
またその光の色によって、おすすめの使い分けがあるのはご存知でしょうか。
光色が人間に与える影響は意外と大きく、生活環境によって使い分けることでより快適な生活を送ることができるでしょう。
そこで今回は9種類あるLED電球の色のバリュエーションはもちろん、光別によるおすすめの使い分け方まで、詳しくご紹介していきましょう。
LED電球には9種類ものバリュエーションがある
バリュエーションその1:暖色系
暖色系のLEDは、その名の通り白色よりも少し赤みのある色を指します。
暖色系の色温度は、2,700~3,500K(ケルビン)と低い発光をするLEDです。
この色温度が低ければ暖色系、高ければ寒色系になるという特徴があり、これはLEDだけでなく蛍光灯や白熱電球でも同じことが言えます。
ちなみに人間はあるひとつの光色で照らされた場所に居続けると、「色順応」という錯覚を起こすことで知られています。
これにより、次第にすべて白い色に見えるようになってきてしまうのです。
そのため、一言に「暖色系」と言っても、主観的な尺度だけでは、正確な光色を表すことはできません。
そこで、光色を正確に表すために色温度という尺度が使われます。
つまり「暖色系の色温度は2,700~3,500K(ケルビン)である」となるわけです。
バリュエーションその2:白色系・昼白色系
2つ目の色が「白色系・昼白色系」と呼ばれる色です。
これが人間の目には1番白く見える色になります。
上記で「暖色系の色温度は2,700~3,500K」とご紹介しましたが、白色系はおよそ4,000K、およそ5,000Kで発光するのが昼白色のLEDです。
ちなみに昼白色系には寒色系に分類されることになる色温度6,500Kのものもあります。
バリュエーションその3:赤(レッド)系
LEDの中で最も早く開発されたのが、この赤(レッド)系です。
赤色の波長はおよそ620~750nmで発光しており、LEDの中で最も早く1962年に登場しました。
そのまま電球としてご自宅の天井にぶら下げる方はあまりいらっしゃらないと思いますが、実はこの赤いLEDは使用範囲がとても広く、我々の生活の中でも様々な場所で使われています。
信号機や防犯カメラにも利用されていますし、あとは家庭用のスキャナーや大型ディスプレイ、他にも医療用としてがん治療などの医療機器にも使われているのです。
最近では植物の成長に重要な役割を担うこともわかり、光合成を促す色としても知られるようになりました。
その証拠に、経済産業省が普及推進している植物工場の光源にも、赤色のLEDが利用されているんですよ。
バリュエーションその4:青(ブルー)系
LEDの色のバリュエーションに一気に可能性を生み出したのがこの青(ブルー)系です。
赤色が1962年に登場したのに対し、青色は1993年と遅い誕生でした。
この青色電球もご家庭のリビングなどで使われる機会は少ないのですが、冬場などに我々の目を楽しませてくれるイルミネーションによく使われています。
他にもインジケーターなどの表示用光源はもちろん、液晶パネルのバックライト光源などにも利用されており、医療用としては歯科や外科治療などにも利用されています。
さらに青のLEDも、植物育成に向いている色なのです。
先ほど「赤色は光合成を促す」と述べましたが、青色は成長を促す効果があります。
そのため赤色と併せて使われることも多い色なのです。
バリュエーションその5:桜(ピンク)系
桜(ピンク)系LEDが登場したのは、1985年のことでした。
こちらも似た色である赤の登場よりも20年近く遅れて誕生した色です。
こちらは間接照明などでご家庭で使われることも多く、若い女性に人気の色となっています。
もちろん世間でも多く利用されています。
しかし表示灯や標識灯などに使われることはもちろんあるのですが、それ以外の電飾として、アミューズメント用などに利用される方が多いようです。
バリュエーションその6:緑(グリーン)系
波長およそ505~555nmで発行する緑(グリーン)系のLEDは、実は青色よりも遅い誕生をした色で、LEDの中で1番新しい色になります。
緑色が誕生したことで、赤・青・緑の光の三原色が揃い、LEDのバリュエーションが更に広がったのです。
緑色のLEDも子供部屋などで利用するご家庭があるようですが、それよりも我々の目に入る場所といえばテレビです。
フルカラーディスプレイやTV用液晶ディスプレイのバックライトなどに利用されることが多く、より彩りのある映像を届けてくれています。
他にも集魚灯の光源や、信号機、イルミネーションなどにも利用されています。
バリュエーションその7:橙(オレンジ)系
暖色系よりもより明るく鮮明に光るのが橙(オレンジ)系です。
波長はおよそ600~620nmで発光します。
使用用途としてはご家庭で使われることの多い色でもありますが、世間では高い表示認識が求められる場所で利用されています。
1番目につく場所といえば車のウィンカーでしょうか。
他にもガス漏れ警報器や火災報知器など、瞬時の判断力を要する場所で使用されています。
バリュエーションその8:紫(パープル)系
8つ目の色が紫(パープル)系です。
波長はおよそ380~420nmで発光しますが、その中でも波長380nm近辺の色は「紫外線に近い光線」となるため、別名「近紫外線LED」とも呼ばれます。
使用用途としては、バーなど夜大人が集うおしゃれなお店で利用されることも多く、演出性の高い色として好まれています。
他にも近紫外線LEDであれば、紙幣識別や果物選別用などの光源として利用されています。
バリュエーションその9:2色・3色系
最後にご紹介するのはが「2色・3色系」の混合色です。
本来LEDの光色というのは、従来の光源に比べて純度が高く、発光波長帯が狭いという特徴があるため、単体のみで白色光を実現することはできません。
そのため白色LEDやその他の色たちは、2色発光や3色発光など、様々な光色を組み合わせて作られています。
例えば2色発光の場合は、青色と黄色を混ぜて白色を作ったり、3色発光の場合は赤色・緑色・青色の3色で他の色を表したりしています。
おすすめの使い分け方とは?
ライフワークに合わせて色を選ぼう
ご家庭で使われるLED電球の多くは、暖色・白色・昼白色になるでしょう。
今回はピンクやパープルなど使う機会が少ない色ではなく、これら3つに絞って使い分け方をご紹介していきます。
まずはそれぞれの色がどう見えるのかのおさらいです。
- 暖色:寒色系の青っぽい光暖色系のオレンジっぽい光
- 白色:1番白く見える光
- 昼光色:寒色系の青っぽい光
このように一言で「白っぽい」といってもそれぞれ感じる色合いは異なります。
ではそれぞれの適した場所を見てみましょう。
暖色の場合
- 暖色のオレンジ系はリラックス効果の高い色になりますし、食材を美しく見せる色でもあります。
- 寝室・リビング・ダイニングや間接照明におすすめです。
白色の場合
- 外で目にする明かりに最も近い色なので、洋服を選んだりメイクをするなど、出掛ける用意をする時に向いています。
- 洗面所やドレッサーなどでの使用がおすすめです。
昼光色の場合
- 勉強や裁縫など、長時間物を見続ける場所に向いています。
- 子ども部屋や作業机などがおすすめです。
このように色がもたらす効果には特徴があります。
それぞれに適した場所で利用するようにしてみましょう。
LED電球の色を使い分けよう
今回は9つの色についてご紹介してきました。
赤色や青色に植物育成の効果があったり、橙には高い認識力があることなど、それぞれのLED電球が持つ特性に驚かれた方もいらっしゃるでしょう。
ご家庭で利用される際も、外と同じ色合いとなるのか、リラックスしたいのかでも用途は変わります。
様々な色が作り出せるLED電球を利用して、より快適な生活を彩ってみてはいかがでしょうか。