省エネで消費電力も少なくて済むLED。実はLEDにはいくつかの種類があるのを皆様はご存知でしょうか?
街中で見かける信号機や自転車のライト、イルミネーション、おうちの中だと携帯電話やパソコン、オーディオ機器など、普段何気なく目にするものに多く採用されているLEDですが、それぞれ種類がいくつかに分かれています。
そこで今回は、LEDの種類や特徴、それぞれの用途などについてわかりやすく解説していきます。
LED照明の種類と特徴
LED照明は発光ダイオードを用いた光源で、照明用・センサ用・スイッチ用といった用途のほかに、特殊用途として殺菌用・専門医療用・農業用その他の植物育成用・光触媒用・超低温利用用などの用途があるなど、非常に幅広い用途で使われています。
どのLEDも共通している特徴として
- 省電力、省エネルギー
- 高耐久性
- 水銀が出ない
- 点灯するまでの時間が短い
この4点が挙げられます。
そして、照明用の輝度の高いLEDは形状で分類すると、
- 砲弾型LED
- 表面実装型(SMD)
- チップオンボード
の3種類があり、それぞれの形状に合わせて特徴と用途があります。
かつては、LEDというと、①の2端子型の砲弾型LEDのことを指していましたが、LEDの開発が進むにつれて、②、③が登場してきました。
メーカーが③のチップオンボード型の製造販売を始めたのは2016年ともっとも歴史の浅いLEDです。
最近はLED電球も広く普及し、模型などのホビーや、DIYインテリアなど、生活全般の身近なところでもよく見るようになっているLEDです。
では、①~③のLEDはどのような特徴があり、どのような用途で使われているのでしょうか。
①砲弾型LED
砲弾型LEDは、その名の通り、光る部分が砲弾のような形をしたLEDで、LED照明の形状においては代表的なものです。アノード(プラス)とカソード(マイナス)の2端子を持ち、表面のドーム型モールドの中に、半導体であるダイオードを端子に固定して光源として格納しています
主な用途
照明用、交通信号機、植物工場、表示用機器、自動車照明用等
特徴
特徴としては、もっとも歴史が古いLEDであるだけに、価格の単価・製造原価という点で3種類の中で最も安価です。
このことから、パッケージの数を多く必要とする照明に使われやすくなっています。
細い電極と小さい形状により、アーチ状の場所や狭い場所での使用に向いており、明るさよりデザイン性を求めるライトに最適です。
ウィンカーやバックライトなどのカー用品、インジケーター、スイッチ等の光源、サインディスプレイやアミューズメント機器、イルミネーション等、各種の照明といった用途に広く使われ、街中でも屋内でも一番よく目にするLEDです。
シンガポールやスウェーデンでは交通信号が100%LED化され、日本でもLED信号の導入が進められています。
信号用にはこの砲弾型LEDをレンズ付きで使っているもので、3mmから5mmの砲弾型LEDを密集させ、大きな光束にしています。
一つのパッケージに一つの光源を持つ構造であることから、調光性・調色性にも制限がなく、自由な照明による表現が可能です。
なお、2端子型ではない4端子の「フラックス」が砲弾型のバリエーションとしてありますが、これは流せる電流量が標準の砲弾型の2-3倍と多いため、より明るい照明を必要とする場合に用いることができます。
これらの性質から大規模のイルミネーションなどにも向いている照明といえます。
ただし、砲弾型LEDはエポキシ樹脂をパッケージに使用しており、紫外線と熱には弱いとされています。
紫外線と熱による劣化で、明るさが落ちてしまうため、耐久性には他の形状のLEDより劣る面があります。
連続512時間で約30%パワーが落ちてしまうとのデータもあります。
②表面実装型(SMD Surface Mount Device)
表面実装型LEDは、薄いチップ型のLEDで砲弾型LEDよりも明るく広い角度を照らすことができます。照明に使われているLEDとしては一番主流です。
主な用途
携帯用電子機器などの精密機器用、照明用、自動車用、鉄道模型等のホビー用など
特徴
モノの表面に実装することが可能で、車・バイク・さまざまな模型・携帯電話やオーディオ機器等の精密機器などの光源に幅広く利用されています。
さらに、センサ・スイッチ系の部品としても頻繁に利用されます。
調光性・調色性は、ほぼ砲弾型と同じ自由度・柔軟性を持っています。
薄く、平たい四角い形状から、光を多方向に拡散して放射することが可能です。
照射角度は、砲弾型LEDの40~60度に対して、最大で140度まで広げることが出来ます。
また、大きさを極限まで小さくして製造することが可能ですので、精密機器への搭載にはもっともすぐれています。
大量生産にももっとも適したLEDです。
パッケージにシリコン樹脂を使用していますが、シリコン樹脂は紫外線・耐熱性に強く、変色・変性・劣化を起こしにくい性質を持ちます。
連続5万時間使用可能と言われています。
③チップオンボード(COB)
チップオンボードは、通常9個以上のLEDチップを1つのパッケージに密集させたマルチチップのLEDです。
主な用途
照明用
特徴
3つの形状のLEDの中では、開発の歴史が最も浅いLEDです。
チップオンボードLEDの特徴は、従来のLEDと比べて、少ない部品で構成することができ、各LEDチップの発熱量を減らすことができます。また、チップごとのはんだ付けが不要になるので障害が起こる確率も減らすことができます。さらに、照明可能な範囲と量も増やすことができます。
チップオンボードLEDの欠点として色のバラエティが少ないということが挙げられます。また、まだまだ開発途中であるため照明用以外の用途は現在ありません。
3種類のLEDの特徴を知って、正しい用途に利用しましょう
今回の記事では3種類のLEDとその特徴について詳しく述べてきました。最も多くの用途に使われている砲弾型LED、精密機器などに応用できる表面実装型、少ない部品数で効率的な運用ができるチップオンボードLED、それぞれの特徴を理解して用途に応じて最適なLEDを選んでくださいね。
また、
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