昨今、白熱電球に変わってLED電球を使うことが増えてきました。白熱電球において明るさの単位として使ってきたW(ワット)に対して、LED電球は明るさの単位がlm(ルーメン)で表されます。馴染みのない方も多いと思われるルーメン(lm)についてこの記事では解説していきます。
さて、そもそもルーメンとはどういったものなのでしょうか。
1.ルーメンとは?
ルーメン(lm)とは明るさを示す単位の1つです。
ルーメンは「光束(こうそく)」とも言い、光源から放たれる光の量を表します。
なぜルーメンはLED電球の明るさの単位として使われるようになったのでしょうか。
2.なぜLED照明はワットでなくルーメンなの?
これまで白熱電球を購入する際、ワット数で明るさを判断していたかと思います。
そもそもワットとは消費電力のことで、明るさを表す単位ではありませんが、白熱電球の場合は消費電力と明るさの間に対応関係があったため、「ワット数が大きければ明るくなる」という認識は間違いではありませんでした。
しかし、白熱電球よりはるかに少ない消費電力で同じだけの明るさを実現できるLED照明の場合は、ワット数で明るさを判断することができません。
LED照明の明るさをワット数で表すと、数W程度の小さな数字でしか表すことができないのです。
これでは、白熱電球の大きなワット数で慣れてしまっている方にとっては、どれを選べば良いのか迷ってしまいます。
なので、正しい明るさを判断するためにルーメンという単位が使われるようになったのです。
それでは、LED照明と白熱電球の明るさの比較はどうなっているでしょうか。
3.LED照明はワット数が小さくても明るいの?
今まで述べてきたようにワット数は明るさの指標として用いられてきましたが、LED照明が登場した今、白熱電球とLED電照明の比較の際にはワット数が大きければ大きいほど明るいとは言い切れません。
LED照明は明るさは同じでもワット数は白熱電球より小さくなります。
例えば、40Wの白熱電球と60Wの白熱電球を比べたら、60Wの白熱電球の方が明るいと判断することができますね。
では、40Wの白熱電球と8WのLED電球ではどちらが明るいでしょうか。
白熱電球同士の比較であればワット数の大きい方が明るいと判断しましたが、LEDとの比較になるとワット数では判断できません。
正解は8WのLED電球の方が明るいです。
LEDは少ない力で大きな明るさを出す省エネ照明なので、8Wでも約60W相当の白熱電球と同等の明るさを実現できます。
では、白熱電球の何Wと何ルーメンが同じ明るさに当たるのでしょうか。
4.白熱電球と同じ明るさは何ルーメン?
上述したようにLED照明の明るさはルーメンで表され、LED照明のパッケージに「810lm」などと記載されているのを目にしたことがあるかと思います。
では、この810lmは白熱電球の何W相当なのでしょうか?
何lmが大体何W相当なのか以下にまとめてみましたのでぜひ参考にしてください。
一般白熱電球の場合
W(ワット) |
20W |
30W |
40W |
50W |
60W |
80W |
100W |
lm(ルーメン) |
170lm |
325lm |
485lm |
640lm |
810lm |
1160lm |
1520lm |
このような表と照らし合わせながら選択しないといけないのかというと、そうではありません。
ルーメン値だけでは明るさの判断が難しいので、現在販売されているLED照明のほとんどは、「40W相当 485lm」「60W相当 810lm」などと記載されていますので、消費者が選択しやすいようになっています。
さて、「lm/W」という単位がありますが、これはいったい何なのでしょうか。
5.省エネを意識するなら覚えておきたい「lm/W」とは?
「lm/W」は「ルーメンパーワット」と読みます。
これは消費電力1Wあたり何ルーメンの明るさが得られるかという、いわゆる燃費の良さを表す単位で、いかに少ない電力で明るい光を効率良く得られるかを表す指標とも言えます。
計算方法は、光源の全光束(lm)÷定格消費電力(W)で求めることができます。
原則lm/Wが大きいほど燃費が良くより省エネで、消費電力に対する明るさの効率は高いとされています。
例えば60Wの白熱電球で計算してみましょう。
60Wの白熱電球は上の表でご紹介した通り810lmの明るさがあります。
計算式に当てはめると、810lm÷60W=13.5lm/Wとなります。
では同等の明るさの810lmのLED電球も計算してみます。
こちらの消費電力は8Wとして計算します。
計算式に当てはめると、810lm÷8W=101.25lm/Wとなります。
このようにLED電球は101.25lm/Wと効率が高く、白熱電球はわずか13.5lm/Wと効率が低いのがおわかりいただけたかと思います。
また、同じ810lmのLED電球でも消費電力が6Wの場合は
10lm÷6W=135lm/Wとなり、こちらの方がより効率が高くなります。
まとめ:ルーメンを理解して最適なLED電球の選択を
今回はルーメンという単位の解説となぜLED電球はルーメンという単位を使うのかということを述べてきました。加えて白熱電球との明るさの比較や「lm/W」の説明も挙げさせていただきました。
ルーメンという単位を理解して最適なLED電球の選択をすることにこの記事が役にたてば幸いです。
また、
「こんなLEDはないの?」
「こういう用途で使えるLEDを探している」
「LEDにしたいけど、どれを選べばいいのかわからない」
など、LEDに関して何かお困りのことや疑問に思っていることがあれば、なんでもご相談・お問い合わせください。