ご自分で「LEDの配線をしたい」とお思いの方はいらっしゃいませんか?
しかし、そんな方の中には「やり方がわからない」と諦めてしまっている方もおられるのではないでしょうか。
確かに配線をいじるには多少の専門知識を必要としますので、やろうと思ってすぐに出来るものではありません。またそれには見慣れない記号などもあり、より手が出しにくいものとなっているでしょう。
そこで今回ご紹介するのが、「LEDの配線を自分でつなぐ方法」です。
これを覚えてしまえば、自分の愛車をLEDでドレスアップすることも出来ますよ。
できるだけ簡単に分かりやすく解説していきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
LEDの基本配線の仕組みとは
点灯のさせ方
さて、まずは基本中の基本、点灯のさせ方から学んでいきましょう。
LEDに関わらず、多くの発行体で使われるのが、下記のような図式です。
アルファベットだらけでよくわからないかもしれませんね。
しかし作りを理解してしまえばとても簡単なものです。
まず図の上部にある「VEE」は、電池などの電源を指します。
そのVEEの+側から、Rが抵抗、LED、スイッチ、GND(グランド)が電流のゼロボルト地点で表されています。
単純にスイッチが繋がっていなければ、電流が流れることがないため点灯することはありません。
しかしスイッチをONにすると、LEDを通った電流はそのままGNDに流れることになります。
多くの場合は-側の回路はGNDに繋がれていることになりますので、+側から-側に電流が流れ、回路を回り続けることになります。
この「回路を電流が回り続ける」という状態を作ることで、LEDは点灯するのです。決して+側だけ、-側だけの配線を繋いでも点灯しません。
回路上の抵抗の役割について
なぜ「R(抵抗)」が必要なのかご存知でしょうか。
単純に抵抗がない状態の方が、素直に電流が流れ無駄な消費電力がないように見えます。
では抵抗などなくして、+側から出ている配線、-側から出ている配線をそのままLEDに繋げてしまいましょう。抵抗を一切なくしてしまうのです。
しかしもしこの抵抗がなければどうなるかと言いますと…。
壊れます。
そのLEDは電流を通しても二度と光ることのない、ただのゴミになってしまいます。
実はLEDは大体20~30mA以上の電流が流れると壊れてしまうものなのです。
ですので普通はこのような「抵抗」と呼ばれる場所を作り、流れる電流の量を調節する必要があります。
「抵抗」はLEDの許容範囲を守り、正常に働かせるために必須のものなのです。
抵抗の値は?
かける抵抗の値は、ご利用になられるLEDの色や性能によって様々です。
しかしLEDには必ず「動作電圧」というものが表記されています。
単純に、+側と-側から流れる電圧がこの動作電圧より低ければ、LEDが点灯することはありません。
また「動作電圧」と共に、「許容できる電流量」も記載されています。
この許容範囲を超える電流を流せば、上記で述べたようにそのLEDは壊れてしまうのです。
つまりLEDを点灯させたければ、「動作電圧以上の電圧で、なおかつ、許容できる電流未満にする」ということが必要不可欠になります。
抵抗の値は、この差を見て設定せねばなりません。
抵抗値の計算方法
具体的な抵抗値を計算する方法をご紹介していきましょう。
抵抗値を計算する際には、オームの法則を使用することになります。
オームの法則は「E=IR」です。
Eは電圧、Iは電流、Rは抵抗値を表します。
つまり 「電圧=電流×抵抗値」となるわけです。
これを使い抵抗値を求める場合は、 流したい電流値で電圧を割ると、抵抗値が分ります。
「抵抗=電圧/電流」になるわけですね。
この時ひとつだけ気を付けねばならないことがあります。それが「単位」です。
電流はA(アンペア)で表示されているものがほとんどです。
しかしたまに「mA(ミリアンペア)」で表示されているものもあるでしょう。
この時はmAをAにせねばならないので、1/1000Aとなります。
例えば「20mA」と表記されているのであれば、それは「0.02A」ということになります。
この単位を統一させるのを忘れずに行いましょう。
また補足になりますが、車の電源電圧についても注意が必要です。
例えば12V車でLEDを使用する場合です。
「バッテリーは12V」で計算してしまいがちですが、エンジンをかければ14.2Vに上昇します。
この上昇値は車によって様々ですが、必ず「エンジンをかけた状態の電圧」で計算するようにしましょう。
LED配線は向きが重要
逆に接続するとLEDが破損する?
LEDは、一方方向に流れる電流で発光する仕組みになっています。
上記でご紹介した「点灯のさせ方」でも、+から-に電流が流れていましたね。
これを逆に配置してしまうと、点灯しないどころかLEDを破損させてしまうのです。
LEDは抵抗を取り除いても壊れてしまいますし、回路を逆に配線しても破損してしまうものです。
ご自分で配線する際は、「抵抗値の計算」と「配線の向き」の2つを注意せねばなりません。
ちなみに複数のLEDを使用する際は、直列か並列どちらかの方法で繋げることになるでしょう。
直列で接続した場合は、必要な電圧はLEDの個数分だけ増えていくことを忘れないようにしましょう。
例えば12Vのバッテリーに対して、3.2VのLEDを使う場合です。
この場合は、3つまでしか直列で使えません。
4つになると必要電圧の合計が12.8Vになり、点灯しないか、したとしても弱い光になってしまいます。
また抵抗値も、LED数の合計電圧から計算するようにしましょう。
もし「12Vでも4つのLEDを使用したい」と思うのであれば、その時は並列で接続しましょう。
ただし並列接続の場合は、並列した分だけ抵抗器を用意せねばなりません。
「直列で必要電圧内に納めたLED数」にするのか、
「LEDと同じ数だけ抵抗器を必要とする並列」にするか、まずはそこから決めて配線を考えましょう。
記号を覚えて配線図を読もう
回路記号・図記号について
LEDの配線を行う際にどのようなことに気を付けねばならないかを覚えたら、次に回路図などでよく使われる記号について学んでいきましょう。
これさえ覚えてしまえば、回路図を見るだけで自分で配線することができるようになりますよ。
まずは1番大事な配線の向きにも関わる2つの記号「+」と「-」です。
こちらはそのまま+-で表記されていますのでわかりやすいですね。
ちなみに「+をアノード」「-をカソード」と呼びます。
そして2つの矢印が上を向いているのがおわかりでしょうか。
この矢印の場所が、LEDの発光場所を示しています。
次の記号は回路図の要ともなる電源と抵抗です。
抵抗は「R」、もしくは「ギザギザの波線」で表されます。
「点灯のさせ方」での図でも、同じく波線でしたね。
また電源となる場所は、長さの違う2本の線で表されます。
短い方が-、長い方が+です。
車にLEDを取り付けるDIY法とは
LEDで車をドレスアップさせよう
最近では男性だけでなく、女性もLEDを使って車のドレスアップをする方が増えています。
そのやり方については、ここで文章で伝えるよりも、写真などの画像を見ながらの方がわかりやすいでしょう。
そこでここではLEDを使ったドレスアップの仕方を教えてくれているおすすめのサイトをご紹介したいと思います。
LEDの種類別やカスタマイズする場所別にいくつかご紹介しますので、それらを参考にして、綺麗に車をドレスアップしてみましょう。
デイライトを付けたい場合
アウディ風デイライトを取り付けてみよう! 【D.I.Y特集】
ドアと連動するフットライトを付けたい場合
テープLEDでドレスアップさせたい場合
意外とカンタン!? テープLEDをDIYで取り付けてお手軽ドレスアップ!
ラインをLEDで彩りたい場合
フロントライトをLEDにしたい場合
フロントウインカーをLED化してみよう! 【D.I.Y特集】
自分でLEDの配線はできる!
今回ご紹介してきたように、LEDの配線はその仕組みさえ理解してしまえば、誰にでも行うことができるものです。
- 使用するLEDの「動作電圧」と「許容できる電流量」を必ず把握すること
- この2つから抵抗値を導き出すこと
まずはこの2つから始めましょう。
この2つが終われば、次は「直列か並列どちらにするか」を決めましょう。
- 直列:電圧内で個数を計算する
- 並列:LEDの数だけ抵抗器を用意する
これさえわかれば、あとは簡単です。
配線の向きに気を付けつつ、配線を接続させてみましょう。
またこのような計算をせずとも、キットとして売られている場合は、回路図の記号を読み取ることで簡単に組み立てることができます。
今回ご紹介した内容をしっかりと覚え、ぜひご自分でLEDの配線に挑戦してみてくださいね。