LEDのメリットと言えば
「電気代が安い」
「省エネ」
というイメージを持たれている方は非常に多いと思います。
しかし、LEDのメリットは実はそれだけではありません。
今回はLEDに切り替えることによって得られるメリットを詳しく解説していきます。
LEDに切り替えることによって得られる7つのメリットについて
LEDに切り替えることによって得られるメリットは大きく分けて7つあります。以下ではその7つのメリットについて解説していきます。
1.省エネ
LEDは白熱灯と比較して、消費電力を約80~90%も節約することができます。
また白熱灯と比べて電気代も約1/8程度です。
白熱灯の電気代が年間約2,538円であるのに対し、LED照明は年間約270円と年間約2,268円の節約にもなります。
この数字LEDいかにLED照明が省エネであるかがわかるでしょう。
※白熱灯はクリプトン球60W形(47W)、LEDは消費電力(5W)のもので比較。試算条件:年間点灯時間2,000時間、電力料金目安単価27円/Kwh(税込)で試算。
2.長寿命
LEDは一日10時間使用したとしても約10年光続けます。
白熱灯は約2,000時間、蛍光灯は約13,000時間に比べ、LEDは約40,000時間明るく光り続ける計算になるので、いかに長寿命であるかがわかります。
ちなみにLEDが光り続ける約40,000時間という期間は、初期の明るさに比べ約70%の明るさに低下する時間をいいます。
つまり約40,000時間が経った時に、あくまでも初期の明るさの約70%に低下するだけですので、突然消えるというわけではないのです。
なぜそんなに長寿命なのか?
LEDの最大の特徴ともいえる長寿命ですが、それは光の出し方に理由があります。
LEDの光はLEDチップと言われる小さな半導体から発光されています。
その半導体にはP型半導体とN型半導体があり、P型半導体には正孔が、N型半導体には電子が含まれています。
LEDチップに電圧をかけると電子と正孔が移動してぶつかりあって結合し(これを再結合といいます。)、その時生まれた余分なエネルギーが光に変わって発光します。
つまりLEDは半導体自身が発光するので、白熱灯や蛍光灯のように消耗する素材がとても少ないことから長寿命が可能になりました。
長寿命の効能
長寿命であることにより、今まで交換することが困難だった天井が高い空間や、大空間である体育館、工場などの照明として利用することで、今まで交換などのメンテナンスする回数も節約することができるようになり、労力の手間を大幅に省くことができます。
LEDにも寿命がある
長寿命として話題のLEDにもやはり寿命があります。
LEDは長時間使用していると光の量が減ってきます。
LEDチップ自身が出す光の量は変わらないのですが、LEDを覆っている樹脂がだんだん劣化してきます。
その劣化した樹脂の中を通る光の量が減ることになるので、徐々に暗くなります。
樹脂を劣化させる原因は大きく2つあります。
1つ目は温度が高くなるほど、樹脂の劣化が早くなります。
2つ目は光エネルギーが大きい程、劣化が早まります。
つまりは樹脂の劣化がLEDの寿命を早くしているのです。
この問題を解決するため、温度が高くなり過ぎないよう、放熱技術の促進を図り、そしてより劣化しにくい樹脂素材の研究も進み、現在の長寿命が可能になっています。
今も続けられている研究開発により、LEDは今後更に長寿命化していくと期待されています。
3.低発熱&赤外線ゼロ
LEDの光は熱線・赤外線の波長をもたない光を発光します。そのため白熱灯や蛍光灯のように熱くなり過ぎることはありません。
そのおかげで、熱があると傷んでしまう美術品・工芸品などの展示用照明や、人が実際に触れる手摺を照らすための手元灯として採用されるようになっています。
4.紫外線ゼロ
LEDは赤外線同様、紫外線の波長をもつ光ではありません。
赤外線と同様、紫外線は美術品・工芸品の褐色・劣化などの原因となるので、LED照明を使用すれば、展示品を安全に保存することができます。
また害虫対策としても優れています。
蚊などの害虫は紫外線を含んでいる明かりを頼りに近づいてきますが、LEDの光は紫外線を含まないので虫が寄ってくる心配がなく、快適に過ごすことができます。
光の波長とは?
現在我々の目に見える光は、波長が380~780nmの範囲内にある電磁波のことをいい、これを「可視光線」と呼びます。
可視光線の光は普段は無色ですが、プリズムを通すと、「青紫・青・青緑・緑・黄緑・黄・黄赤・赤」とそれぞれ違う色をもった縞模様を目で確認することができ、これが光の各波長の成分を表しています。
この波長の中で、「青紫」より短い波長の電磁波を順番に並べると、「紫外線、X線、ガンマ線・宇宙線」になり、逆に波長が赤より長い電磁波の波長を順番に並べると、「赤外線、ラジオ電波」となります。
LEDの光は「可視光線」の範囲内にある色を組み合わせて光を生み出しているので、紫外線も赤外線も含まない光となっているのです。
5.害虫が寄り付きづらい
先程も述べた通りLEDの発行する光は、半導体素子を構成する原子構造によって、放出するエネルギーが決まっているので、単一波長(380~780nm)です。
それに対して虫は波長が短い紫外線を好みます。これにより、LEDの照明は紫外線を含まないので、害虫が寄ってきにくいとされています。
虫の目の構造はどうなっている?
虫には単眼・複眼と呼ばれる目をもった虫がいて、クモなどが単眼、蚊やハエ・トンボなどが複眼をもっています。
複眼をもっている虫は視力が弱いので、波長の短い紫外線を頼って寄ってきます。
蛍光灯や白熱灯の光には、紫外線を含むものが多く、それが目印になってしまうため、虫が自然と寄ってくるようになっています。
6.瞬時に付く
LEDの特徴と言えば、スイッチを入れればすぐに点くことも大きな特徴の1つです。
LEDは半導体なので、周囲が寒い環境であったり熱い環境であったとしてもスイッチを入れればすぐに点灯します。
LEDを工場・体育館の大規模な施設に採用することで照明が点くまでの待機時間が大幅に削減されるので、かなりの時間を節約することができます。
また、その応対速度の速さというメリットを活かして、LED照明を人感センサーと組み合わせることで、薄暗い通り道を減らす手助けになったりと、重大な事故を未然に防ぐことに繋がり、電気のつけっぱなしも減らせるので電気代の節約にもなります。
7.点滅・調光はもちろん発色まで自在
LEDでは応対速度の速さにより、調光はもちろん光を点滅させることも可能になりました。
LEDは光の三原色と言われる赤色・青色・緑色を組み合わせて、光の色を創り出しているので、様々な種類をもった色合いの光を生み出すことも可能になりました。
点滅・調光がもたらすメリット
調光・発色が自由自在に操ることができるようになり、空間の演出に大幅な変化を起こすことが可能になります。
例えば、普段長く過ごすリビングは朝と夜とで、灯りの雰囲気を変えたり、お風呂はリラックス効果を高めるために幻想的な光を灯したり、夜起きてトイレに行く時は、トイレの足元だけを照らす照明を用いれば、眠りを妨げることも少なくなるなど今までにみたことがないような生活が可能になるでしょう。
LEDに切り替えて得られるメリットはたくさん!
LEDは採用するメリットも重く、大きさの制約も少なく、様々な用途の照明として取って代わることが予測されていますので、照明のコーディネイトの幅が大きく広がっていくことでしょう。
LEDのメリットを良く理解して、是非とも明るい未来をLEDと共に灯していきましょう。