突然ですが、「安定器」とはなんなのかご存知でしょうか?
蛍光灯について調べていると安定器というワードをよく目にすると思いますが、これが一体なんなのかわからないといった方も多くいらっしゃると思います。
簡単に言うと、安定器は蛍光灯器具の心臓とも言える、蛍光灯の点灯に必要な装置のことです。
安定器は蛍光灯の効率や寿命などに大きく影響するので、「蛍光管は問題ないのに蛍光灯が点かない」などの不具合が起こった場合、安定器が劣化、故障している可能性があります。
なぜなら、安定器にも寿命というものがあるからです。
では、安定器の寿命はどのくらいなのでしょうか。
また、交換するにはどうしたら良いのでしょうか。
そこで今回は、安定器の寿命と交換について解説していきます。
安定器とは?
蛍光灯などの放電ランプは放電現象を利用した光源なのですが、
この放電現象というものは不安定で電源に直接繋ぐと電流が急激に増えてランプが壊れてしまいます。
安定器はこの電流が増え続けるのを防ぐために必要な装置で、電源とランプの間に抵抗を入れて電流を一定の値に安定させる役割があります。
また、ランプが点灯するのに必要な始動電圧を与えて、
安定した点灯を維持するためにも放電ランプの点灯には必要な装置なのです。
少々難しい説明になってしまいましたが、
つまり蛍光灯を発光、明かりを安定化させるために必要な装置ということです。
では、安定器の寿命はどのくらいなのでしょうか。
安定器の寿命
使用環境によって変わりますが、安定器の耐用年数は10年とされています。
また、照明器具本体の耐用年数も10~15年とされており、10年を超えた照明器具は安定器の交換や器具本体の交換をおすすめします。
なぜなら、外観に異常がなくても内部の部品は劣化が進行している可能性が高いからです。
では、安定器が劣化しているかどうかはどのように判断したら良いでしょうか。
安定器の劣化を判断する方法
安定器は劣化することにより、異常振動、異音、異臭、発熱、点灯不良、漏電などが発生します。
こういった症状が見られた場合は安定器が寿命を迎えているかもしれません。
なので、安全を考えて早めの点検・交換を心掛けましょう。
また、1972年(昭和47年)以前に製造された安定器には
有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)を使用したものがあります。
PCBは人体へ悪影響があるため、現在では新たな製造が禁止されています。
これを廃棄する場合、管轄する行政へ届出を行い、その上で保管基準に従って処分するまで適正に管理しないといけません。
PCBはその有毒性から管理基準や処理基準が厳しく定められているので注意が必要です。
安定器にPCBが使用されているか判別する方法など、PCBについてはこちらで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
水銀灯はどうやって処分するの?業者へ委託するまでの手順をわかりやすくご紹介!
では、安定器を交換するにはどうすれば良いのでしょうか。
安定器を交換するには?
安定器の交換は知識や技術が必要となる作業ですので、電気店や工務店などの業者に依頼しましょう。
また、どうせ交換するのであればLED照明に交換してしまった方がお得になる場合もあります。
なぜなら、安定器を交換しても省電力化は見込めないからです。
LEDは蛍光灯と比べ電気代・消費電力はおよそ1/2です。
もちろん照明の台数によって変わりますので、工事費用やランニングコストを考慮してどうするのが一番良いか、見積りを出してもらって検討すると良いでしょう。
ただし、工事費用を抑えたいからといって、LEDに適した配線に変更するためのバイパス工事が必要ない「工事不要」タイプのLEDに安易に手を出すのはおすすめできません。
バイパス工事や工事不要LEDがおすすめできない理由についてはこちらで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
思わぬ事故に繋がる前に点検を
安定器の寿命と交換について解説してきましたが、いかがでしたか?
長年使用している照明器具は見えないところで劣化が進んでいます。
安定器の劣化は、蛍光灯の頻繁な交換を招いたり、ちらつき、異音、異臭、点灯不良の原因になったりします。
ショートし発火したり、漏電したりする恐れもあるので注意が必要です。
「まだ点灯しているから大丈夫」と思わずに、10年以上経過している場合は一度点検してもらうことをおすすめします。
また、
「蛍光灯からLED蛍光灯にしたいけど、どれを選べばいいのかわからない」
「こんなLED蛍光灯はないの?」
など、LEDに関して何かお困りのことや疑問に思っていることがあればなんでもご相談・お問い合わせください。