水銀灯からLED照明への切り替えることで電気代が安くなるのは周知の事実です。
しかし、水銀灯からLED照明に切り替える時には注意しなければならない点がいくつかございます。
これを知らないまま選んだLED照明は、もしかしたら使い物にならない無駄な買い物になってしまう可能性もございます。
今回は水銀灯からLED照明へと切り替える前に確認しておきたい、5つのポイントについて詳しくご紹介していきましょう。
確認しておきたい5つのポイント
ポイントその1:口金の形をチェックしておこう
これはLED電球だけでなく発光源とされる全てに言えることですが、当然ながら形の違う口金がソケットに入ることはありません。
まずは何よりも現在お使いの水銀灯用の照明器具の口金のサイズを確認しておきましょう。
照明器具ごと交換しない限りは、同じ口金サイズのLED照明を選ぶ必要があります。
ポイントその2:重量に注意しよう
これをあまり気に掛ける方は少ないのですが、電球の重さというのは商品により様々です。
例えばE26というサイズの口金の商品をとっても、70g~180gまで重量には差があるのです。
「今まで使っていた水銀灯は30gだったけど、新しくLEDの90gを付ける」といったことを行ってしまうと、照明器具に負荷がかかることになり、故障の原因となってしまいます。
ポイントその3:光の広がり具合はどうか
水銀灯とLED照明で大きく違う点といえば、光の広がり具合です。
水銀灯は基本的に360℃を照らしてくれる商品ですが、LEDは「一直線にしか光を発しない」という特徴があります。
つまり水銀灯であれば電球の上も明るくなりますが、LEDでは下方向しか明るくならないのです。
そのため広い範囲を照らしたいのであれば、照射範囲の広いLED照明を選ぶ必要があります。
ポイントその4:光色を使い分けよう
LEDの特徴には様々な光を作り出せるという点もあります。
そのためただの白色ではなく、オレンジがかった昼白色や、外の光と変わらぬ色合いの白色などその色は多種多様です。
これは生活環境によって変えて使うのがおすすめですので、LED照明を選ぶ際には光色というポイントも見ておきましょう。
ポイントその5:明るさはルーメンで確認
最後に確認しなければならないのが明るさです。
水銀灯や白熱電球の場合はワットで明るさを測る事が一般的ですが、LED照明の場合は「lm(ルーメン)」という単位によって明るさを表します。
単純にこちらの数字が大きければ大きいほど明るくなります。
おおよその目安は以下の表でご確認いただけますので、こちらを参考に明るさを選んでみましょう。
4つのタイプで初期費用や工事費を比較
水銀灯からLED照明に代替するにあたり一番気になるのは費用かと思います。
今回は以下4つのパターンで検証してみましょう。
- LED器具一体型設置
- 既存器具使用でLEDに交換・設置
- 従来型水銀灯を新規で設置
- 水銀灯を継続して使用
まずは最初にかかる初期費用を見てみましょう。
【4パターン別の初期費用】
器具+ランプ価格 | 設置費用 | 初期費用合計 | |
LED器具一体型設置 | 46,000円 (器具一体型) |
8,000円 | 540,000円 |
既存器具使用で LEDに交換・設置 |
44,000円 (既存器具使用) |
10,000円 | 540,000円 |
従来型水銀灯を 新規で設置 |
30,000円 (器具付き) |
10,000円 | 400,000円 |
水銀灯を継続して使用 | 3,700円×10本 (3年に1回交換) |
0円 | 0円 |
当然ながら、継続してそのまま使う場合には初期費用はかかりません。
しかしLEDに切り替えることで、5万円前後の費用がかかります。
ではランニングコストとも呼ばれる「維持費」についてはどうでしょうか。
今回は「1日12時間使用」を「310日行った」と仮定しコストを算出してみます。
【4パターン別の維持費】
消費電力 | 年間電気料金 | |
LED器具一体型設置 | 80W | 6,249円 |
既存器具使用でLEDに交換・設置 | ||
従来型水銀灯を新規で設置 | 435W | 33,982円 |
ご使用中水銀灯を継続して使用 |
ご覧のように、LEDは省エネという観点でも非常に優れているため、その電気代には5倍ほどの差があります。
年間で2万5千円もの差が出るのであれば、LEDへの切り替え費用も2年目にはペイできますので、3年目からお得になっていくことになります。
工事費不要で代替ができるって本当?
ポイントは水銀灯独自の「安定器」
水銀灯の場合は、多くが「安定器」という器具を使用していました。
しかしLED照明ではこの水銀灯用の安定器は使用しません。よって水銀灯からLED照明へ切り替える際は、「水銀灯用安定器を取り外す」か「水銀灯用安定器を放置する」かの2択になります。
この場合おすすめなのは圧倒的に「取り外す」という選択肢です。
安定器を使用することはありませんが、取り外さない限りは安定器にも通電され続けることになるため、安定器が故障すればLED照明も一緒に故障してしまうことになります。
その為、「工事不要で代替できる?」と聞かれれば答えはYESですが、正確には「工事不要で代替はできるけれども、工事を行う場合と比べて短命になる」となります。
工事を行えば時間も費用もかかることにはなりますが、ぜひとも安定器を取り外し安全に使用するようにしましょう。
ポイントを確認して正しい商品選びをしよう
今回は水銀灯からLED照明へ切り替える際の5つのポイントについてご紹介させて頂きました。
値段や光色までは考えたことがあるものの、重さや光の広がり具合にまで気を配られた方は少ないのではないでしょうか。
また工事不要とされる商品は数多くありますが、それは「工事しなくても使える」というだけで、「LED本来の寿命を全うできない可能性がある」ことはあまり知られていません。
今回ご紹介したポイントなどを参考にし、ぜひご家庭に合った正しい商品選びをするようにしましょう。