LED電球は従来使われてきた白熱電球とは違って、省エネや寿命に優れている点からも、交換を考えている人も多いのではないでしょうか。
しかしながら、多くの人がLED電球に対する知識不足によって、間違った購入をしているのも事実です。
特にライフサイクルによって増減する消費エネルギーのことは特に考える必要があります。
そこで今回は、そのことに直接的に関係する明るさに対して必要な知識を身に付けていきましょう。
正しい選択をして失敗を防ぐための参考にしてみてくださいね。
1、ルーメンとは?
LED電球の明るさを表す単位として「ルーメン(lm)」が使用されています。これは簡単に説明すると、光の量の単位のことを指しており、数値が高ければ高いほど明るくなります。LED電球を比較する際に、このルーメンについて詳しく知っておく必要があります。
1-1 ルーメンで光の明るさを判断しよう
まず従来の照明器具で明るさの単位を表していたのは「ワット(W)」でした。学校の授業でも取り扱っていたので、選ぶ際の目安にしていたという人も少なくないでしょう。例えば「40Wよりも60Wの方が明るい」というようにワット数の大きさで判断していたはずです。
もちろん、この判断は決して間違いではありません。しかしながらワット(W)が表す本来の意味は「消費電力」です。LED電球もワット(W)で識別することはできますが、元々消費電力が少ないため、非常に小さな数字で表記されてしまいます。
これでは混乱しかねないですよね。そこで使われているのが「ルーメン(lm)」です。前述したように光の量を表す単位のため、ワット(W)と数字が同等ではありません。そのためLED電球に交換する際は、既存のワット(W)を調べて、それに相当するルーメン(lm)を選ぶ必要があります。
当然、それを無視してLED電球に交換した場合は以前と同等の明るさを得ることはできません。何ワットが何ルーメンに相当するのかは各メーカーの公式サイトでも確認することができますので、事前に調べておくことをおすすめします。
2、ルーメンパーワットとは?
また新たな言葉が出てきてややこしく感じてしまうかもしれませんが、もうひとつ大切な言葉として覚えていて欲しいのが「ルーメンバーワット(lm/W)」です。これは光量を消費電力で割った数値で、数値が大きければ大きいほど効率が良いということになります。
2-1 エネルギー消費効率も大事な要素!
LED電球を選ぶ際に大切にしたい基準点として、エネルギー消費効率が挙げられます。簡単に言えば、省エネが実現できるかどうかです。例えば、ルーメン(lm)数値が同じでもルーメンバーワット(lm/W)が異なれば、エネルギー消費効率も異なります。
分かりやすく自動車の燃費で考えてみましょう。馬力があってスピードの出るクルマは確かに魅力的です。しかしながら燃費が悪ければ、維持費が高くなって、決して効率的とは言えませんよね。照明器具でもこれと同じことを言うことができます。
部屋を明るくしてくれる光量が強ければ、確かに雰囲気などは明るくすることができるでしょう。その反面で消費電力が高ければ省エネとは言うことができず、結果として財布の中身は暗くなっていく一方です。
LED電球を購入する際のポイントとしては、まず取り付ける場所に必要なルーメン(ml)をメーカーサイトなどで確認をしましょう。次に高効率のエネルギー消費を実現するために、各器具のルーメンバーワット(lm/W)と消費電力も確認しておきましょう。
3、失敗しない明るさのLED電球を選ぶための2つのポイント
今まで部屋の明るさを、大きく気にしたことのある人は少ないのではないでしょうか。しかしながら、LED電球を選ぶうえで用途やシーンに合わせて明るさを考えることは、非常に重要なことでもあります。ここでは大きく2つのポイントに絞って、LED電球を選ぶための考え方を解説します。
3-1 ポイントその1:ライフスタイルを考える
まず、LED電球に切り替えるにあたって、現在のライフサイクルを振り返ってみましょう。一般的には家族が増えれば増えるほど、電力消費量は増えていきます。また子どもの成長によっても変化は生じてくるはずです。
このように電力消費量は個人のライフサイクルや時間軸の変化によっても大きく異なります。従来の白熱電球はこうした変化に対して柔軟に対応することが難しかったのですが、LED電球なら生活シーンによる違いにも対応することができます。
例えば、LED電球は光の色を選択することが可能です。従来の白熱電球に近い光色なら「電球色」、太陽光に似たナチュラルな色を希望するなら「昼白色」、少し青みがかったクールな色なら「昼光色」といったように、個人の好みやライフスタイルに合わせることができます。
人によって「心地良い」と感じる照明の基準は異なりますし、気分によっても変えたいと思っている人も少なくないでしょう。LED照明であれば、明るさや色を多彩に変えられる製品が数多く販売されているため、非常に便利な存在と言えるのではないでしょうか。
また中には、「調光機能」や「調色機能」備えたタイプのLED電球も販売されています。明るさや色を時間帯や気分によって調節することによって、利用シーンや用途に応じて、さまざまな雰囲気づくりをすることにも繋がります。
3-2 ポイントその2:「色温度」と「照度」を考える
部屋の「快適さ」左右する基準値として、「色温度」と「照度」が挙げられます。光の色と一口に言っても、さまざまな表現方法があります。こういった光の色の違いを「色温度」と呼ぶことがあり、ケルビン(K)という単位で表記されます。
また明るさを表す「照度」も、部屋全体を快適に保てるかに大きく関係しています。この2つの関係次第では心地良く感じることもあれば、不快に感じることもあります。こうした心理効果はクルーゾフ効果と呼ばれており、明かりを考える上では欠かすことができません。
それでは実践的な考えに移っていきましょう。まず成長期真っただ中の子ども部屋ですが、「遊ぶ」「勉強する」「眠る」といった3つの活用方法が挙げられます。しかしながらシーンごとに適合した照明をいくつも設置するわけにはいきませんよね。
特に集中力を維持させたい勉強時間に関しては、色温度を慎重に選択する必要があります。具体的には通常よりも白っぽい光を保つようにしましょう。ひとつの照明だけでは難しいという場合は、スタンドなどで手元の明るさを確保するなどの調整をおすすめします。
上記で挙げたような例は、どの世代でも共通しているわけではありません。特に年齢を重ねていくと眼の機能が衰えていくため、単純に明るさを確保するだけではダメです。これらを効率良く調整していくためにも、LED電球を上手く活用していきましょう。
4、まとめ
部屋の明るさは、個々のライフサイクルや趣味、嗜好によって多様性を求める必要があります。それを可能にするのがLED電球であり、私たちの生活に「快適さ」を提供してくれます。これから照明器具を選択する際は、省エネや寿命面だけではなく、ライフサイクルに対応させることも考えてみてはいかがでしょうか。